アラフォーがうつ病から社会復帰するために

うつ病になりやすいと言われているアラフォー世代。元大手IT企業のサラリーマンが、社会復帰するための道筋を実体験を交えて綴っていきます。

職業訓練に申し込む方法

原則として職業訓練に申し込むには、
まず職安の相談窓口へ行く必要があります。

 

でも間違っても何も下調べせずに
相談なんてしちゃダメです。

 

 

職安の相談窓口へ行く前に

・志望動機
・訓練後にどんな職に就きたいか?
・今の自分に何があって、何が足りないのか?

少なくともこのあたりは
事前に掘り下げておかないと
門前払いを食らうリスクを負うことになります。

 

私が以前相談窓口に行った際、
隣に座っていた若いお兄さんは、

 

「なんとなくこのコースが良さそうなので受けたい」
「なんとなくこのコースでスキルを身につければ、就職できそう」 

 

こんな感じの受け答えをしており、
相談員から冷たい対応を受け、
見事に玉砕してました。

志望動機テンプレート

私には○○という業務経験があります。

具体的には(中略)というようなことを

しておりました。

これを活かして関連する△△という職に
就きたいと考えていますが、

今のままでは××というスキルが不足しており
求職活動が困難な状態です。

そこで、□□という訓練を受けることで
スキルを身につけたいと考えました。

 

これぐらい掘り下げておくと、
相談窓口で却下されることはほぼありません。

 

職業訓練の選考では
「訓練後に就職できそうな人」が
圧倒的に優先されます。

  • 同じ業界内で異なるスキルが必要な職種に就きたい
  • 異なる業界で似たような職種に就きたいが,スキルが足りない

パターンとしてはこの
2つがほぼ最強と言えます。

 

他にも今の経験に訓練でのスキルを加えることで、
直接ではないものの転職市場での
付加価値が増して就職に繋がる。

 

ということをちゃんと伝えることができれば

やはりある程度優先されるでしょう。

 

 

企画職としての経験があって、
デザイナーやWebエンジニアとも仕事をしていた。
業界内の仕事の流れを熟知しており、
その上でデザイナーになりたいとか、
エンジニアになりたい。

 

あるいは、デザインスキルを身につけることで、
もっとデザイナーとのコミュニケーションを
円滑にとれる企画者になりたい。

 

Webプログラミングのスキルを身につけることで、
Webプログラマーとのコミュニケーションを
円滑にとれる企画者になりたい。

 

こういうのも比較的説得力を持ちやすい。

とにもかくにも…

業務経験+訓練校でのスキルアップ=内定

 

この方程式を意識して
何らかの理由を用意していかないと、
相談窓口で断られてしまい、
申し込むことさえできない。

 

そんなことにもなりかねません。

 

今までと全然違うことをやりたくて、
訓練校に行きたい場合でも、

 

相談窓口で説明する際には何らかの形で
「これまでの業務経験が活きる」
という主張があった方がよいです。

 

Webクリエーター養成の訓練などは
どの都道府県でも高倍率ですが、
比較的これがやりやすいとも言えます。

 

強引に志望動機を絞りだす方法

コンビニやスーパーの店員を

やっていただけだとしても
少し工夫すれば…

 

実店舗でのMD(品揃えとか陳列とか)の経験を
ECにおけるWeb制作に活かし、
「売れるサイト作り」ができる
Webクリエイターとして求職していきたい。

 

というようなそれっぽい主張も
可能は可能なわけです。

 

 

ハッタリでもなんでも、
こういった青写真を提示できる人と
そうでない人を比べれば、
やはり前者を優先するものです。

 

 

職業訓練という公共事業

 

職業訓練も公共事業の一つなので、
当然のことながら事業としての成果を
出す必要があります。

 

訓練を委託された民間企業も
委託契約を継続するためには、
やはり一定以上の成果を求められます。

 

ここでいう成果を端的に言えば
「訓練終了後の就職率を上げること」
となります。

 

選考する立場からすると

 

「訓練を受けてもこいつは絶対
 就職できないだろう…」

 

というような人は極力避けたいわけです。

 

なら、どういう人に来てもらいたいのか?
そこをきちんと考えることができれば、
比較的人気で高倍率なコースでも、
選考通過することはそれほど難しくありません。

役所嫌いなあなたへ

役所のルールを知る

「役所が嫌い」という人が居ます。

 

融通が利かない
大事な情報を教えてくれない
態度が横柄 

 

 大抵の場合このような形で
嫌な思いをした経験が
あるのだと思います。

 

役所はあなたが上手に使えるかどうかで
あなたの味方にも敵にもなってしまう
(それによって人生が左右される場合もある)
取扱要注意な施設です。

 

ちょっとしたルールを知らないだけで、
役所を嫌いになってしまうのは
本当に損です。

 

役所内には必ずルールがあり、
そのルールの条件を満たせば、
どんな人でも必ず手続きを進める義務を
役人は負っています。

 

何をおさえれば役人が確実に動いてくれるのか?
事前にリサーチしておく。

 

 

そうすれば、自動販売機にお金を入れて
ボタンを押せば

 

 

ガタガタ…ゴロン!

 

…と、ドリンクが落ちてくるように、
簡単に役人を動かすことができます。

 

 

自販機に「お金を入れる」というルールを
知らないと悲惨です。

 

揺すったり叩いたりした挙句、
力いっぱい蹴っ飛ばしたりしても、
欲しいもの(ドリンク)はまず手に入りません。

重要なルール

 

役人にとって重要なのは
「必要な書類をきっちり揃える」
ということです。

 

  1. あらかじめ手続きに必要な書類を調べる
  2. 必要な各種証明書等を用意する
  3. 申請書を印刷して記入しておく

 

たったこれだけのことで、
驚くほどスムーズに役人は
動いてくれるようになります。

 

相談するのではなく「請求」するのがコツ

 

「動いてくれる」というよりは、
役人のルールに則って手続きに来た人を
役人は「拒むことができない」のです。

 

役人にルールを聞いても
ちゃんとは教えてくれなかったりします。

 

何故ならルールを教えてしまい、
それを満たされると「拒むことができない」からです。
親切な役人は教えてくれますが、
そうでない役人もいます。

 

役人に相談する場合は相手を選びましょう。
基本的に相談してはダメで、
条件を整えて請求するのが最大のコツです。

 


今の時代ネットで調べれば大抵のルールを
見つけることができてしまいます。

 

昔はルールを知っている一部の人だけが
役所の恩恵を受けていたのです。

 

でも、今はちょっとの手間を惜しまず、
調べることさえできれば
誰でも役所の恩恵を受けられます。

 

これって凄いことだと思いませんか? 

 

このブログで関わる役人とは主に
市役所の職員と、ハローワークの職員です。

 

彼らと上手に付き合っていくことが、
うつ病から社会復帰するあなたにとって
とても重要なカギになるはずです。

 

そのために必要なルールを
このブログでも少しずつですが、
扱っていく予定です。

職業訓練校の種類

職業訓練校の制度は大きく分けると次のようになります。

  • 公共職業訓練
    都道府県立 職業能力開発センター(直営)
    ⇒民間委託
  • 求職者支援訓練
    ⇒民間委託


主な違いを簡単に紹介しますね。

 

公共職業訓練

失業給付を受給している人が対象です。
受講費は無料*1の場合と
有料*2の場合があります。

 

諸条件を満たすと訓練中(+訓練後1ヶ月)は
失業給付が延長されます。

 

都道府県直営の職業能力開発センターで
行われることもあれば、民間の専門学校やスクールに
委託して行われることもあります。

 

全日程の8割以上出席すれば
修了することができます。

 

スクールにもよりますが、
勤怠に対してはやや緩やかです。

 

参考までに東京都の公共訓練の種類を挙げます。

都立職業能力開発センター (直営)
離職者等再就職訓練 3ヶ月・6ヶ月(民間委託)
若年者向け委託訓練 6ヶ月(民間委託)
委託訓練活用型デュラルシステム 4か月(民間委託)
女性向け委託訓練 3ヶ月(民間委託)
母子家庭の母等に対する職業訓練 3ヶ月(民間委託)
東京都民間委託訓練 3ヶ月・6ヶ月

このうち、オススメなのは離職者等再就職訓練
都立職業能力開発センターの訓練です。

35歳未満であれば若年者向け委託訓練
チェックしておくとよいでしょう。

 

求職者支援訓練

 

失業給付を受給できない求職者が対象です。

 

失業給付の延長はありませんが、
受講費は無料ですし、月額10万円が支給されます。
(被扶養者がいる場合12万円)

 

基本的に民間の専門学校やスクールに委託して行われます。

 

全体的に勤怠に対しては厳しく、
1日でも休むと重めのペナルティを受けます。

 

かなり多岐に渡った種類の訓練が
比較的高頻度で開校されています。

求職者支援訓練 認定コース情報

 

で,結局どっちがいいの?

 

あなたの前職の月給にもよりますが、
殆どのケースで公共職業訓練の方が
圧倒的に好条件になるはずです。

 

しかし、求職者支援訓練の方が
コース自体の数も開催頻度も多いのも事実です。

 

本当に受講したいスクールのコースを選ぶ、
ということが最も重要と言えます。

*1:半年未満のコースでは教科書代のみ負担

*2:1年コースでは受講費10万+教科書代自己負担

うつ状態から回復しての求職活動

失業給付で当面の生計を立てるには?

前回の流れうつ状態から回復して、

医師から就労可否証明をもらい、
なんとかハローワークで求職登録すると…

 

うつ病による退職者は特定理由離職者となるため、
通常の給付制限期間(3ヶ月)を待たずに、
失業給付がはじまります。

 

ただ、勤続年数が10年未満の場合、
受給できるのは90日のみです。

 

病気から回復したてで、
3ヶ月以内に面接受けて
就職して働き始める。

 

実際問題、
これはなかなかに
ハードルが高い。

 

そこでオススメしたいのが職業訓練。

職業訓練の種類

職業訓練にも3ヶ月~12ヶ月と色々な種類があります。
ここでオススメなのは6ヶ月または12ヶ月の訓練。

 

訓練中は失業給付が延長される上、
交通費もほぼ実費で支給されます。

すぐに働くのは困難でも、
学校に半年ないし1年通うならなんとか…
という人は多いのでは?


毎日同じ時刻、
同じ場所に通うことで
生活のリズムをつくることができます。

 

これまでの経歴を踏まえて、
訓練校で新たなスキルを身につけることで、
求職活動に幅を持たせることもできるでしょう。

 

ただし、6ヶ月や12ヶ月の訓練はかなり限られた
時期にしか実施されません。

 

参考までに2016年度の東京都の職業訓練で
これらの条件に該当するのは以下だけです。

 

4月 東京都立職業能力開発センター 1年・6ヶ月コース
   東京都民間委託訓練6ヶ月

6月 離職者等再就職訓練(民間委託) 6カ月コース

7月 離職者等再就職訓練(民間委託) 6カ月コース

 10月 離職者等再就職訓練(民間委託) 6カ月コース

 

これを見ればわかるように年度の最初の方に集中しており、
後半は10月だけです。

 

募集は概ね2か月半前に始まり、半月ほどで締め切られます。

 

実際に1年コースを受けるには?

1年コースは4月のみです。
このため、これを受講するなら
1月末には申し込んでおく必要があります。

 

給付制限なしの場合
訓練開始日当日に
1日でも受給日数が残っていれば
給付延長が認められます。

 

その一方で求職登録ができるまで
申し込むことができません。

 

つまり、

  • 1年コースの職業訓練に通いたい(4月1日開校)
  • 受給日数90日

 

この場合1月2日以降
締め切りの2月4日までに
求職登録をした上で
申し込む必要があるのです。

 

運がいいか、
よっぽど計画的にスケジュールを組まない限り、
この条件を満たすのはなかなか困難とも言えます。

普通のサラリーマンがうつ病になったら?

もし,うつ病になって就労不能状態になったら
どうやって暮らしていくのでしょうか?

 

傷病手当金を貰う

1年半は休職しながら傷病手当金を貰って暮らしていけます。

 

傷病手当金は会社からではなく
健保協会から給付されます。

 

まともな健保に加入してさえいれば
(そして医師の診断書が手に入れば)
大抵の場合問題なく貰うことができます。

 

でもその後は?


回復の見込みがない場合、
精神障害者手帳二級をとることで、
やはり当面暮らしていくことができます。

 

しかしこれは本当にどうにもならない場合の
最後の手段です。

 

1年半を待たずに回復した場合は?
これは選択肢が2つあります。

  • 職場復帰を果たす
  • 退職して就活を行う

 

職場復帰を果たすことができれば、
そして恵まれた職場であれば、
それが最もよいかも知れません。

 

しかし、そもそもうつ病を発症した場合、
職場環境そのものが原因になっているケースも
少なくありません。

 

退職してから就活までの流れ


退職して就活を行う場合、
どのタイミングで退職するか?
これが意外に難しい。

 

退職前に傷病手当を受けている場合、
退職後も引き続き受給できます。

 

しかし、退職後の社会保険料が問題です。
多くの場合年金は全額免除可能ですが、

 

ハローワークで求職申込をして、
退職理由が記載された書類を発行して貰わないと
国保の保険料(保険税)は減免されません。

 

結果、前年度の所得に応じた金額を支払うことになります。

 

多くの健保協会では社会保険を任意継続することも選べます.
しかしその場合企業負担分も自己負担することになり、
これまでの2倍の保険料を払うことになります。

 

求職申込をすれば保険料の減免手続きはできます。
しかし、この場合は働ける前提で求職するわけなので、
今度は傷病手当金がストップします。

 

傷病手当金を貰いながらも、
国保の保険料を減免する方法は
あるのでしょうか?

 

そのためには
タイミングを見計らいつつ

 

上手に退職し、
上手に手続きをする必要がある
ということがわかります。

 

退職から就活までの具体的手順 

  1. 退職する(退職日も欠席する)
  2. 健康保険資格喪失証明書を持って市役所で健保と年金の手続きを行う
    国民年金は免除申請を行う
    (多くの市町村では退職を理由にこれが可能)
  3. 職安に受給期間延長申請書を提出(傷病を理由とする)
  4. 就労が可能になったら医師に就労可能証明書を書いてもらい職安で延長を解除してもらい雇用保険受給資格者証を発行してもらう
  5. 雇用保険受給資格者証を持って市役所へ行き、国保の減免申請を行う
    市町村によって減免可能かどうかは異なる

 

5.の減免申請を行うことで、
退職日まで遡及して保険料を計算し直してもらえます。
過払いの場合、払い戻されます。

ただし、国民健康保険は毎年4~5月頃保険料の算定が行われ、
6~3月(翌年)が納付期間になります。

 

つまり5月以前に退職した場合
6月以降の保険料だけが遡及対象。

 

退職するなら6月以降がオススメということに。
(市町村によってこの期間が異なる場合もあるので要確認)